ネタバレな感想・夜中に犬に起こった奇妙な事件 

こう見えて(見えないけど)小心者なので最初にお断りします。舞台をご覧になった方はどうか怒ったり悲しんだりなさらないでください。まだご覧でない方はこんな感想もあるということで軽く受け流していただけたらと思います。どなたにどう思われようとわたしは森田さんのファンです。


ショックは大きかった。ごうくんが台詞を抑揚をつけずに話す役なんて今まで見たことが無かったから。どうしても棒読みになってしまう役者の場合はある意味ラクな気もするけどごうくんレベルだったら逆にとても難しそう。相手役を見て話すことも少なくて間合いも測りにくいだろうし。生のお芝居の楽しみであるアドリブも俳優同士のアイコンタクトもごうくんからは振れない感じ。とにかく最大の特徴は主役の幸人の膨大な量の台詞の大半に抑揚が無い。大事な単語を強調することもない。どこまでも平坦だからずっと聞いているのがきついんです。疲れ果てました。1回目は違和感と戦い観劇2回目で慣れたら慣れたで眠くなる。幕間のお客さんの話の中にも眠くなるというのが耳に入ってきた。ま、わたしは大好きな人の声だから辛うじて耐えたけど。あえて言うけどわたしが大好きなごうくんの表情豊かな話し方が聞けないのならこの舞台はチケット高いです。V6で歌う時も歌詞に感情を込めて心に訴えてくるのに。それが役の為に封印していることにお芝居が始まってすぐ気がついた1回目の時の落胆と言ったらすごかった。このことに関してのネタバレは読んでいなかったから心の準備が零だった。頭の中に否定的なコトバばかり浮かんできた。え〜〜〜?絶対惜しい。すごく悔しい。残念。こんな話し方はイヤダ〜これじゃないと症候群を表せないからなの?・・・ナントカフツウニシテ・・・じゃ台本はカタカナで書いてあるの?ごうくんカワイソウ・・・数分間は悶々としていました。数分か数十分かわからないけど取りあえず割り切ったのはせっかくの時間を無駄にしたくはなかったから。楽しまないとって。

観劇2回目にして私的千秋楽を終えて疲れも取れたしもう疲れないでいいと思うと少しほっとする。(これは金閣寺と同じ体験だ。鉈切り丸は疲れなかった)台詞回しはごく微妙に平坦のレベルを変えたかなと感じた。最初はもっと棒読みだった(気がする)。そして家族と先生相手の時は抑揚を増やしていたので随分聞きやすくなった。もちろん最初からその区別はされていたけど分かりやすくしてくれたのかなと思った。信頼度によって変わるのは伝わっている。
「抑揚をもし変えられるならややぎこちない程度に軽減して欲しいです。」と最初の下書きに書いたけどこう思ったわたしの願いはたぶん大多数のお客さんの願いだったと思う。それが叶ったのかな?

あと書いておきたいことを簡単に。時空の移動には理解がついていけないので早々に諦めて見た。基本は回想なのかも。プロジェクションマッピングは理解の助けになる。笑いが起こるのは警官いじりで若くないとダメという幸人の拘りと言い方が可愛かった。1階上手ではピアノが全然見えないから生で弾いてるのだとわからない。3階から見てすごく綺麗だった模型の電車が動くシーンは近いと案外そうでもない。お母さん役の存在感は大きくて素敵だった。お父さん役の声が低くてステキ。舞台上で出ずっぱりでいながら何役もこなす役者さん達の流れるような動きの素晴らしさは近くで見た方が数倍感動する。ごうくんはすごいカンパニーにいると改めて思う。
幸人オンステージ「証明」のシーン。舞台にいきなりライトが最大量で当たったような煌めき。それまでの事が無かったかのような夢の世界。すごいサプライズな演出でよかった。2回目に見たら共演者の皆さんの衣装がゴージャスになっていた!1回目はごうくんばかりオペラグラスで見ていたけど後ろの方にいる父母先生近所のおばあさんも校長先生もオールキャストが一緒に手拍子してノリノリでからだを揺らしていた。そういうシーンをもっと沢山見たい。このお芝居では望めないとしたらわたしはごうくんの楽しいミュージカルが見たい。このお芝居はずっと出ずっぱりで頭も身体も酷使しわめくために喉を痛めてしまったに違いないのに昼夜2公演なんて酷いよ。。。本当にお疲れさまでした。そしてごうくん大好き!最後にはける時ほとんどの人には背中しか見えないのに両手を振ってくれたのはかっこいい!いつもありがとう。更なる飛躍を期待しています。