鉈切り丸感想 その2

2鉈目は前回から約2週間後。でも前夜に音楽番組生放送出演があったので気持ちに何か変化があったのかという興味があった特別な日になった。それはたぶん共演の方もそうなんだろうけど、結果として全く変わらない役者森田剛の鉈切り丸でしかない人物がステージで生きて輝いていた。まばゆいライトが当たるステージにいるという点では前夜と同じなのにここまで愛されない役って一体どういうこと?上演中は夢中で見たけど帰り道はなんだか腑に落ちない。


3階のかなり後ろだった前回から一気にズームアップして1階の下手ひと桁。近いな〜しかも下手での独白シーン多いし♪少し見切れるけど期待どおりのいい席。ただ生演奏の事を忘れていて鳴り出したときにはその迫力に心臓が悪い意味で!激しく動いて痛いくらいだった。*1近いから見えた物はたくさんある。でも3階からしか見えなかったものもあってやはり初回は上からが正解。
演技全体の感想は慎重でやや硬い感じ?毎回初心に戻れる人かもしれないけど。わたし自身が森田さんに近いせいで緊張していたのかもしれない。

見えたこと以前の問題だけど、今回の収穫は開演直後の話の筋が理解できたことだった。初めての時ってこちらも緊張しているからキンキン響く巴の声が聞き取れなくて状況の把握が難しかった。しかもあいにく木曽義仲には詳しくないのだ。お前いい女だなというゾクゾクさせてくれる鉈切り丸のセリフあたりから入り込んだ感じ。
映画館用の眼鏡と時々オペラグラスも使って見た。興味があってイトとおと姫さんの顔をよく見たかったのだけどイトさんは予想以上にきれい。きりっとしたわたし好みの美人だし高齢でもないから3階から老けて見えたのは演技力だ。おと姫さんはすごく可愛いんだけどさいごに顔に腫れものができるのが凄まじく怖くておぞましくて鉈切りさんの比でなかった。正視が難しいレベルでよく引き受けたと思った。さすが女優さん!他にも乳母殿を初めて見た時よく理解できなかったけど2回目でなんとなくつかめた。この乳母に育てられたからこういう軽い感じの頼朝さんになったわけね。ちなみに女郎屋のおかみも同じ女優さん。道化担当の芸達者さん。

マチネだからかカーテンコールは全員での2回だけ、2回目でわたしも周囲のほぼ全員も立ち上がったけど笑顔も両手ブンブンも見ることなしにはけてしまい終演アナウンスで諦めて帰った。

*1:持病はないけど演奏もさほど長くは続かないのでだいじょうぶだったけどちょっと怖かった。