(読書)読み終えた喜び

読書は趣味のひとつなので普段は読み終えたとき、あぁ終わっちゃった、寂しいなと思うことが多い。今回に限りやっと終わった〜よかった。厳しい登山から家に戻ってきた時のような気分だった。なので我こそはというツワモノは「天地明察」ぜひぜひお読みください。
なぜそんなことになったかというと、通しで読書に使える時間がなかったせいで夕食後片付けしてから寝るまでの時間で読んでいた。しかもわたしは物理と数学に苦手意識が強い。高校の成績で言うと唯一赤点を取ったのが物理であり(夏休み補習で教室に集まった各クラス選りすぐりの文系エリートの顔ぶれが忘れられない)定期試験で唯一0点を取ったのが数学だった。
この本の文章に味わいたいような美的表現は無いに等しく、とにかく想像力を総動員して時代を頭に描きつつ(日本史も好きではない)3人称で書かれる分主人公の本音の掴めない文を読み進めた。どうでしょう。ここまででどんなに苦労して読み終えたか伝わりました?


まず、本を読み終えるまで映画「天地明察」の公式サイトは見ていないし雑誌も映画情報も全く読んでいない。そこはしっかり注意してまっさらの頭で読んでみた。
ふつう30ページも読めば作者の文体や表現の特徴など分かりそうな物だけどできなかったのは、数字とか図形などが邪魔してくるためと思う。なんでいちいち解こうと思ってしまうのか結局はわからないけどまいっかになるという面倒な性格のわたしに呆れるけど。*1
小説で登場人物の数は多くても割とだいじょうぶなんだけど、細かく描かれて思い入れの深くなった人物数人が中盤から終盤に来て相次いで亡くなってしまう。*2
オカダさん主演の原作でなかったら最初の死で見切りをつけて最後のページに飛んで結論から読んだと思う。それをしないでとにかくジュン番に最後まで読んだのは途中から、「おお!これを彼がやるのか。男性としてこの役はかなり嬉しいんじゃないか」と理解できたからだった。
本の感想になるのかわからないけどまず風景を撮ることを考えると素敵な絵が期待できる。そういう意味では映画のスケールに向いている。そして国を動かす大仕事に携わる、しかも指揮を取るという名誉な役は実に光栄じゃないかな。わたしにも主人公の震えるような喜びと大きな畏れは理解できたのでそこからは楽しくなってきた。
更には多くは割かれていないけど私生活での愛妻家ぶり。これはほのぼのする。結婚もするし子どもも作るけどそういうシーンは映画であるのかな。その前に1回で完結できるのだろうか。*3どんな映画になったのか楽しみだ。

*1:数学を解こうとしていて早く読めるはず無い。でも解ける人にはすごくおもしろい本だろうな

*2:実はわたしの嫌いな展開、高齢で寿命の場合は仕方ないけど

*3:SPみたいに続くのは勘弁して欲しい